いつの間にかもう2月

平成も22年となり今年はよい年になると新年を迎えて願いながら、あっという間に2月になってしまいました。
立春に今年の年賀参拝にお配りした「立春大吉」「鎮妨火燭」のお札を玄関にはり、福を招き、災い払い当山と檀信徒皆様の今年一年のご多幸を願い節分を迎えました。
『立春大吉』のお札
道元禅師が寛元五年(一二四七)の立春に記したとされる立春大吉の法語である。
南謨仏法僧宝は大吉、立春は大吉、一家の祖師祖宗は大吉、
仏法の弘通は大吉大吉、祖道の光揚は大吉、寺門の繁昌は大吉、門子多く集まり人の逢うを得たる時、天下吾が道に帰崇するは大吉大吉。
大吉立春大吉。
大吉開山、永平大吉。道玄
寛元五年丁未立春、大吉大吉。
面山瑞方師は『訂補建撕記』にて、「今年の立春の日、自筆に立春大吉を書せられたる真蹟、今京の道正菴に秘珍す。一幅長短八行、字数八十有五なり」とされているものであり、古来は京都の道正菴に秘蔵されていたことが知られる。
しかし、後には永平寺に寄贈され、現在は永平寺所蔵である。三宝帰依や仏法の弘通、寺門の繁昌を祈念して十五個の「大吉」が記されている。そのため、「十五大吉文」とも称されている。
『鎮防火燭』のお札
「鎮防火燭」と書いたお札は、山門に貼ったり、本堂入り口左側に貼る。もしくは火を扱う典座に貼る。この府は火を鎮め、火災を防ぐ。面山瑞方師の『僧堂清規』巻三の「清明貼府」の項に、二月末か三月初めにいたって、清明節に鎮防火燭の符を書いて諸堂に貼るとしている。
書様は中に、鎮防の二字をつづけ、火燭の二字は下に双べ、火の字、燭の字の火片を水の字の様にかきなす。古例、火伏の意を含む。〈中略〉鎮防の二字に、三法印を押て清明日の粥了一遍消災に、加持薫香して後に監寺に命じ貼せしむ。 『僧堂清規』巻三

立春は冬から春に季節が改まる日で、立春の前日に当る二月三・四日頃の節を分ける日をすなわち節分という。もともとは、立春、立夏、立秋、立冬の前日を指し、一年に四回あつたが、現在は大寒の終わる日、立春の前日だけを呼ぶようになった。昔は節分の日は邪気、疫鬼を追い払うため「福は内、鬼は外」【富久者有智 遠仁者疎道】 と呼びながら豆まきをする風習である。立春は謹賀新年に近い、立春大吉のお札を貼り、外から、福が入ってくるようにと外から向って家の門柱の右に貼るのです。また立春大吉は左右対称で万が一入ってきた鬼はこの札を反対から見てまた入り口と思い帰ってゆくので鬼、災いを家に持ち込むことが無いと言われております。鎮防火燭のお札は昔、三月の節日に貼るものでしたが、それは、南風が吹いて火をあおる火災を起こす火禍になる。不浄火とは、火虫のわいた火のことで火虫が飛びおどると不審火になるから火を汚すなという昔からの信仰がある。
「立春大吉」は右側に、「鎮防火燭」は左側に貼り、福を招き、災い払いましょう。

得聚山 山主 合掌